フィチン酸とは
フィチン酸は別名「
イノシトール6リン酸(
IP6)」とも言われ、植物類のほとんどに含まれる天然成分。米穀類や種子に多く含まれ、玄米や米ぬかに含まれるものが、特に有名。
フィチン酸は金属イオン類を取り囲み、強力な抗酸化作用の働きで活性酸素の発生を抑制し、結果としてガン(
癌)を予防、抑制すると研究されている。
美容や健康のために玄米や米ぬかを利用する背景には、この
フィチン酸の有効性を期待したものによると思われている。
一方で、リン酸を主成分とした
フィチン酸には、
鉄分や
カルシウムなどの必須
ミネラル成分と強く結合(キレート作用)し、その吸収を阻害することも判明している。
健康のため、玄米食を主とされている方に色黒く、やつれた方がいらっしゃるのは、
フィチン酸の作用による
ミネラル欠乏症ではないかと考えられている。
フィチン酸はもともと、金属イオンなどと、固く結びついた状態にある。このままの摂取では、これらの有効成分は体内を素通りするだけで、何の効果も期待できない。そのうえ、体内に蓄えた
ミネラルまで吸着してしまうため、逆効果にもなりかねない。
フィチン酸の問題を解決したのが、発芽のメカニズムを利用した、発芽玄米。新芽を発芽させることで「フィターゼ」という
酵素を働かせ、
フィチン酸と
ミネラル成分が分解して独立。それぞれが、体内に吸収されやすい姿に変貌する。
フィチン酸の中の必要な有効性のみを利用するには、玄米よりも発芽玄米なのである。
フィチン酸の有効性は、表裏一体。 玄米での
フィチン酸摂取は、即効性のある劇薬の様なもので、たまに利用するにはたいへん有効だが、毎日では、かえって健康を損ないかねない。